世久見(せくみ)地区

烏辺島(うべじま) ─
世久見の象徴としてそびえる海上の小島
世久見を語るうえで欠かせない存在が、湾口に浮かぶ 烏辺島(うべじま) です。切り立った岩肌が海から垂直に立ち上がる姿は迫力があり、世久見湾のランドマークとして古くから住民に親しまれてきました。島の周囲は透明度が高く、夏には海藻が揺れ、海鳥が休む姿も見られます。周辺は潮流が集まり魚影が濃く、漁場としても重要でした。特に、船で湾に入ってくると、烏辺島が“門柱”のようにそびえ、その奥に世久見の集落が現れる光景は他の地区にはない特徴的な景観です。昔から旅人や漁師たちは、この島の姿を目印として帰港したといわれ、今でも地域の象徴として、季節ごとに違う表情を見せています。

入り江が守る静かな漁港
世久見は、深い入り江が外海の波を和らげる天然の良港です。山が海に迫り、集落は海岸線に沿って帯状に広がり、家々の裏手にはすぐ山が立ち上がります。この“海と山の近さ”こそが世久見の特徴で、朝は山影の涼しさの中で漁船が出ていき、夕方には入り江に穏やかな夕日が落ちる独自の景観を生み出しています。

若狭湾航路を支えた小さな港
世久見は、深い入り江が外海の波を和らげる天然の良港です。山が海に迫り、集落は海岸線に沿って帯状に広がり、家々の裏手にはすぐ山が立ち上がります。この“海と山の近さ”こそが世久見の特徴で、朝は山影の涼しさの中で漁船が出ていき、夕方には入り江に穏やかな夕日が落ちる独自の景観を生み出しています。

大敷網漁が守る世久見の海
世久見では、若狭を代表する 大敷網漁(定置網漁) が現在も受け継がれています。夜明けとともに船が湾口へ向かい、烏辺島の沖合で伸びる定置網を揚げる光景は、地域の日常そのもの。アジやサバ、スズキ、春はタイ、冬はブリなど、季節ごとの魚が獲れ、海のリズムに合わせた暮らしが続いています。漁港では、新鮮な魚を扱う小さな作業風景が日常として見られ、観光地化されていない“ありのままの漁村”が残る点も世久見ならではです。
